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インザ出町座 旅立つ本屋

京都市上京区三芳町133 出町座1F
Demachiza 1F,133,Miyoshicho,Kamigyo-ku,
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2025.12.23

映画と人形浄瑠璃が出会う場所『人形浄瑠璃の「近代」が始まったころ 観客からのアプローチ』第35回吉田秀和賞受賞記念トークイベント

イベント

【登壇者】
海老根剛(大阪公立大学文学研究科教授)

【日時】
2026年1月24日(土曜日) 14:00〜

【会場】
出町座(京都市上京区三芳町133。出町柳駅より徒歩5分)

【イベント内容】
こんにちは。出町座のアフタートークにもたまに登壇する海老根剛です。このたび私の著書『人形浄瑠璃の「近代」が始まったころ 観客からのアプローチ』(和泉書院)が第35回吉田秀和賞を受賞いたしました。本書は大正後期から昭和十年代にいたる人形浄瑠璃の展開を観客史の視点から論じることで、人形浄瑠璃の「近代」の始まりに新たな角度から光を当てています。少なくとも明治の末年頃までは大衆的な娯楽性を保持していた人形浄瑠璃が、いつごろ、どのようにして、今日の私たちにとってそうであるような特殊な芸術の一ジャンル、すなわち「古典芸能」になったのかを、昭和初年に登場した「新しい観客たち」に注目して解き明かしています。

こんな風に書くと映画とはまったく無縁の話のようですが、じつは人形浄瑠璃が「古典」に変化する歴史のプロセスには映画の登場が密接に関係しています。人形浄瑠璃を「古典芸術」(当時はそう呼ばれました)として鑑賞し始めた「新しい観客たち」は、映画に親しんでいた人びとであり、映画観客が身につけている感受性をもって人形浄瑠璃と出会い、そこに新たな魅力を見いだしていたからです。

じっさい、人形浄瑠璃と映画にはいくつか興味深い共通点があります。美学的観点から見るとき、この二つの表現には構造的な親和性を見いだすことができるのです。それは言われてみれば明白なことなのですが、私たちは人形浄瑠璃をもっぱら江戸時代の芸能としてのみ考えがちなので、見逃してしまうのです。

今回のトークイベントでは、私たちの同時代の芸術表現として人形浄瑠璃を考えてみたいと思います。そうすることで人形浄瑠璃と映画の思いがけない接点が見えてきます。映画が好きな人なら人形浄瑠璃にも面白さを感じられると私は確信しています。映画は好きだけど人形浄瑠璃はまだ観たことがないという方にも(いや、そういう方にこそ!)、ぜひ来ていただきたいです。

当日はいくつか映像も見ながら、映画と人形浄瑠璃の出会いを探ります。文楽人形が登場する映画や人形浄瑠璃を原作とする映画を語るわけでありません。そうした接点とは異なる出会いの可能性についてお話します。

【登壇者プロフィール】
海老根剛(えびね・たけし)
1971年東京都生まれ。京都市在住。博士(文学)。現在、大阪公立大学大学院文学研究科表現文化学専修教授。専門は表象文化論、ドイツ文化研究、近代の人形浄瑠璃の観客史的研究。著書に『人形浄瑠璃の「近代」が始まったころ 観客からのアプローチ』(和泉書院、2024年)、編著に『「群集」を再訪する —ただしパトスなしに 両大戦間期ドイツ語圏の文学における群集表象の再検討』(編著、日本独文学会研究叢書、2024年)など。訳書にイヴォンヌ・シュピールマン著『ヴィデオ 再帰的メディアの美学』(柳橋大輔、遠藤浩介との共訳、2011年11月、三元社)、ヨアヒム・ラートカウ著『自然と権力 環境の世界史』(森田直子との共訳、みすず書房、2012年)など。

【定員】
30名

【参加費】
①イベント参加費:1,000円
②イベント+書籍(定価2,420円):3,000円
※会場にてお支払いください

【お申込み方法】
下記フォームよりお申込みください。
https://forms.gle/kb5sTZb75tjjG8rh8

【問い合わせ先】
CAVA BOOKS: info@cvbks.jp
(出町座にお電話でお問合せいただいても対応いたしかねますのでご容赦ください)

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CAVA BOOKS(サヴァ・ブックス)は、2017年冬、京都・出町桝形商店街にオープンの複合施設「出町座」の1階にある本屋です。
海と盆地を結ぶ、若狭街道(鯖街道)の終着点であるこの地から、本や映画や食に触れ、京の入口へ、明日の入口へと歩みゆく「旅立つ本屋」を目指しています。

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Writer うめのたかし Takashi Umeno
Director 小野友資 Yusuke Ono
Designer 尾花大輔 Daisuke Obana
Producer 宮迫憲彦 Norihiko Miyasako

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